「オーツミルク」は聞き慣れない言葉かもしれませんね。健康に良いと言われることは多いですが、具体的に牛乳と何が違うのかは、よくわからない部分もあります。妊娠中のお母さん方は、未来の子どもの健康のために、良質な食品を選びたいと考えているでしょう。
今回はオーツミルクに関して、その概要や含まれる栄養素、選ぶ際の注意点などに焦点を当てて詳しく解説します。
オーツミルクとは
オーツミルクの基本情報
オーツミルクはオーツという穀物から作られた植物性のミルクです。豆乳やアーモンドミルクなどと同じく、植物から搾って作られます。オーツはロシア、アメリカ、カナダ、ヨーロッパなどで広く栽培されている穀物で、元々は動物の餌として使われていましたが、19世紀からは人間の食品としても普及し始めました。
グルテンを含まないため、小麦アレルギーがある方にも適していますが、製造過程で小麦が混入する可能性があるため、グルテンフリーやアレルギー表示を確認することが大切です。
オーツミルクの栄養価
オーツミルクは、1カップあたり約80kcalで牛乳の122Kcalと比べるとカロリーが低いです。タンパク質は0.4gと牛乳の6.6gに比べて少なく、脂肪もオーツミルクは3.6gで牛乳の7.6gより低いですが、炭水化物はオーツミルクが13.6gと牛乳の9.6gに対して高い数値です。カルシウムはオーツミルクが240mgと牛乳の220mgよりもやや多く含まれています。
これらの情報は「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」に基づいています。
オーツミルクは溶けやすい食物繊維が含まれており、消化がゆっくり進むため満足感が長持ちし、コレステロール値の低下や血糖値の安定に役立ちます。また、コレステロールや飽和脂肪が含まれていない点も、オーツミルクの大きな特長です。
妊娠中のオーツミルク摂取
妊娠中の安全性
オーツミルクはグルテンを含まないため、小麦アレルギーがある方でも安心して飲めます。乳糖やコレステロールも含まれておらず、乳糖不耐性や乳製品アレルギー、さらに小麦やナッツアレルギーのある方にも適しています。乳糖不耐症や乳製品アレルギーのある方には、牛乳の代替品として非常に有効で、食事の中で栄養源のバリエーションを広げることができます。
妊娠中の女性には乳製品が推奨されます
オーツミルクは、牛乳と比較して同じくらいのカロリーですが、タンパク質は約1/3、総脂質は減少しており飽和脂肪はかなり少なくなっています。炭水化物は少し多めですが、水溶性の食物繊維が含まれているため、便秘に悩む妊婦さんには良いかもしれません。
牛乳には妊娠中の女性に必要な栄養素が豊富に含まれており、カルシウムが多く消化しやすいのが特徴です。妊娠によって食べ物の耐性が変わることもあるので、自分に合った乳製品を選ぶことが重要です。
妊娠中は医師のアドバイスを参考に
一般的に、オーツミルクは妊婦や乳幼児にとって安全だとされていますが、赤ちゃんの成長に必要な一部の栄養素が不足する恐れがあります。そのため、母乳や牛乳の完全な代替品としては推奨されていないという意見もあります。したがって、妊婦やお子さんが植物ベースのミルク製品を摂取する前には医師のアドバイスを受けることが大切です。
オーツミルクの潜在的なデメリット
タンパク質の含有量が少ない
牛乳と比べると、オーツミルクはタンパク質の含有量が大幅に少ないことが挙げられます。同じカロリー量であっても、オーツミルクのタンパク質は牛乳の約1/3に留まり、総脂肪量も少なくなっています。飽和脂肪は少ない一方で炭水化物は多く含まれていますが、これは消化を助ける水溶性繊維によるものです。
妊娠中は通常よりも追加で約25グラムのタンパク質が必要なため、オーツミルクを選ぶ際は他の食品との栄養バランスを考慮することが大事です。
市場価格はやや高め
市場でよく見かけるオーツミルクのブランドの一つにアルプロがありますが、250ミリリットルで137円という価格は、通常の牛乳と比較して少々高めです。アルプロからは、砂糖不使用で自然な甘さを持つ製品と、わずかに甘みを加えた製品の2種類が提供されています。
砂糖を気にする方にとっては重要なポイントですが、実際には微かな甘さのバージョンにも砂糖は使われておらず、糖分を特定の甘さになるまで分解しています。砂糖を使わない製品は甘さ控えめですが、カロリーや糖質の総量に大きな違いはありませんので、味の好みに応じて選ぶことができます。
総括
オーツ麦はグルテンを含まず小麦アレルギーの心配がありませんが、オーツ麦由来の食品だけでは乳幼児に必要な栄養が足りない可能性があるため、他の食材で栄養を補うことが推奨されます。妊娠中や子どもに新しい食品を導入する際は、健康を守るためにも事前に医師の意見を聞くことが賢明です。
新しい健康食品を探求するのは良い機会ですが、体調や既往症に合わせて食事のバランスを考え、特定の食品に偏らないようにしましょう。
不安がある場合は、専門家と相談して自分に合った食品選びを行いましょう。