「クレソン」という野菜を料理で使ったことはありますか?サラダや付け合わせに最適なこの葉物ですが、市場で見つけるのは意外と難しいかもしれません。手に入らない場合は、似たような特徴を持つ他の野菜を代用することもできます。
今回は、クレソンの特徴、代替になる野菜、クレソンなしで作れるレシピなどについてご紹介します。
クレソンとはどんな野菜?
クレソン(学名Roripa nasturtium-aquaticum)はアブラナ科に属する植物です。原産地はヨーロッパ中部や中央アジアで、フランスでは「cresson」別名「オランダガラシ」とも呼ばれています。最も美味しい時期は4月から5月です。
19世紀に日本に伝わり、当初は主に外国人向けの料理に使われていましたが、西洋料理の普及に伴い日本人の食卓にも登場するようになりました。栽培が容易で、βカロテンなどがん予防に効果的な栄養素を含む緑黄色野菜です。
クレソンの香りは?
クレソンは鮮やかな緑色が特徴で、生き生きとした香りを放ちます。その独特の香りは好みが分かれるポイントで、独自の癖があるため人によっては好む一方で苦手と感じることもあります。
クレソンの味わい
クレソンの味は、茎に感じる軽い苦味が特徴ですがこれが独自のおいしさを引き立てています。この苦味は植物特有の成分によるもので、適切な処理によって軽減することができます。
苦味を軽減する方法
クレソンの苦味が苦手な場合、冷水に20分程度浸すと苦味成分が減り食べやすくなることがあります。この方法を試してみるのがおすすめです。
クレソンの代用として使える野菜6選
クレソンの風味に近い代替野菜として、いくつかの選択肢があります。クレソンは春先の3月~5月が旬で、他の野菜に比べ生産量が限られています。
手に入らない時は、似た風味を持つ他の野菜が代用として役立ちます。それぞれに独自の風味がありますが、クレソンと同じように使って楽しむことが可能です。
クレソンの代用:ルッコラ(エルーカ)
学術的にはEruca vesicariaと呼ばれるルッコラは、アブラナ科キバナスズシロ属に属します。地中海地域が原産で、エルーカやロケットサラダとも呼ばれることがあります。春の4月~7月と秋の10月~12月が最適な収穫時期です。
地中海地域で古代ギリシアやローマ時代から食されているルッコラは、イタリア料理の人気と共に日本でも知られるようになりました。
独特の強い香りと苦みが特徴で、ビタミンC、βカロテン、ビタミンEを含み、抗酸化作用やアンチエイジング効果が期待されています。クレオパトラが愛した食材としても有名です。
クレソンの代用:せり(水芹)
学術名Oenanthe javanicaのせりは、セリ科セリ属に分類されます。原産地はアジアと熱帯アフリカ地域で、別称には白根草や川菜などがあります。英語ではWater celeryと呼ばれています。旬は1月~4月です。日本原産のせりは、七草粥にも使われる伝統的な野菜で、18世紀から栽培されています。
ほのかな苦味と強い香りが特徴で、畑せり、田せり、山せりなど環境によって異なる呼称があります。せり鍋はおすすめの食べ方です。
クレソンの代用:みつば
みつばはセリ科に属する日本原産のハーブです。和食でよくアクセントとして使われ、茶碗蒸しのトッピングや親子丼の彩りに加えられます。温室栽培も普及しており、年間通して市場で見かけることができます。主要な生産地は千葉県、愛知県、茨城県です。
クレソンの代用:わさびの葉
わさびの葉はアブラナ科に属する野菜で、からし菜の一種とも考えられています。肉厚で硬質な茎と、波打つ細かく凹凸のある葉が特徴です。わさび特有の強烈な風味は少ないものの、微かな苦みが感じられます。最適な季節は冬から春ですが、現代の農法により年中スーパーマーケットで入手可能です。
クレソンの代用:大根の葉
大根の葉は、ふりかけや様々な炒め料理に使える便利な食材です。この野菜の部分には独特の風味があり、味わい深いです。栄養価が高く、捨てずに活用することが推奨されます。
クレソンの代用:かいわれ大根
かいわれ大根は、その歴史が平安時代まで遡ることができる野菜です。「スプラウト」という呼称は、穀物や豆、野菜の種子を発芽させたものを指します。
歯ごたえと繊細な辛味が特徴で、水耕栽培により年中手に入れることができます。コストパフォーマンスに優れ、ビタミンK、ビタミンE、βカロテンなど栄養豊富です。
クレソンに代わる野菜の活用法
クレソンはサラダ、添え物、鍋料理など多くの料理に活用される野菜ですが、クレソンが手に入らない場合似た風味の他の野菜で料理を楽しむこともできます。クレソンが見つからない時には、これら代わりの野菜でレシピを工夫してみましょう。
サラダ向けの代替野菜
クレソンの代わりに適している野菜には、生食にも向いたものが多くサラダに最適で、ルッコラ、わさび菜、かいわれ大根がおすすめです。ルッコラはヨーロッパ風の風味が特徴で、わさび菜は日本の調味料と相性が良いです。かいわれ大根は小さいながらも、サラダのアクセントとして栄養価を高めてくれます。
炒め物に最適なせり
炒め料理には「せり」が適しています。
せりの根まで食用になり、食物繊維や鉄分、葉酸などの栄養が豊富です。細い根も含めて丸ごと使うことができます。せり鍋でよく知られるせりですが、炒め物に使うとその独特の風味が料理に深みを加えてくれます。
総括
クレソンに似た味わいを求めるなら、ルッコラ、せり、大根の葉、わさび菜、かいわれ大根、三つ葉が良い選択です。これらの代替野菜は、それぞれ特有の苦味や特徴的な味わいを持ち、サラダに加えることで料理の風味を豊かにします。クレソンが入手しにくい時は、これらの野菜を使って食事に新たな変化を加えることができます。
この記事で紹介した多様な野菜を活用し、食卓に新鮮さを加えてみてください。