マクワウリをご存知ですか?昔はお盆の時期によく食べられていましたが、最近はあまり見かけなくなりましたね。メロンと同じキュウリ科に属するマクワウリは、糖度が低くキュウリを思わせるさわやかな味が特徴です。この独特の風味は初めて食べる人には意外かもしれません。
今回は、マクワウリの特徴や甘くする方法、活用法についてご紹介します。
マクワウリの歴史と特徴
キュウリ科のマクワウリは、日本の食文化に古くから根付いています。2世紀頃から食用として親しまれていたと言われている一方、メロンが一般市場に登場したのは20世紀からで、初期は高価で手に入りにくかったため、多くの家庭でマクワウリが代用として食されていました。
マクワウリはメロンの親戚?
メロンの親戚であるマクワウリは、キュウリ科に属しています。紀元前2000年頃に北アフリカや中東で栽培が始まりヨーロッパへ広がったものが今のメロンで、東へ広がった種類が「ウリ」として知られるようになりました。メロンはその甘さから果物として分類されますが実際には果樹ではなく、マクワウリは甘さが控えめで果物と野菜の両方で使われます。
マクワウリの味と特性
マクワウリには様々な種類があり、大きさや外皮の色が異なります。重さは300グラムから1キログラム程度で、外皮は黄色、緑、白色など様々です。果肉の食感はシャキシャキから柔らかいものまであり、総じて甘みは控えめです。
マクワウリの価格動向
メロンの普及に伴いマクワウリの生産量は減少しました。現在では市場での出会いも少なく、農家から直接注文するかオンラインショッピングを利用することが一般的です。価格は5キログラムあたり約4,000円で取引されることが多いです。
チャメとマクワウリの違い
チャメは韓国で夏に人気の果物でマクワウリの一種です。豊富な水分と爽やかな甘みが特徴で夏バテ予防にも役立ちます。チャメの種にはカリウムやカルシウム、食物繊維が含まれ、果皮にはビタミンCやクエン酸が豊富で、韓国では美容に意識する人々がジュースとして楽しんでいます。
マクワウリが甘くなくてまずい理由
マクワウリはメロンに比べて甘さが控えめです。そのため、メロンのような濃厚な甘みを期待して食べると物足りなさを感じることもありますが、甘いフルーツが苦手な人にとってはこの控えめな甘さがちょうど良い場合もあります。
未熟な状態での収穫
市場に出回るマクワウリは完全に熟していない状態で収穫されます。
未熟なマクワウリは底部が硬く、香りがあまりしない特徴があります。これらは室温で追熟させることが可能で、香りが増し底部が柔らかくなると食べ頃を迎えます。また冷蔵庫で2〜3時間冷やすとさらに味が良くなります。
漬物用としての特性
マクワウリは漬物用として、まだ完全に熟していない状態で収穫されることもあります。早期に収穫されたマクワウリは追熟が難しいとされ、そのまま漬物にすることが一般的です。
マクワウリの甘みを最大限に引き出す方法
マクワウリを選ぶ際は、形状と花の跡をチェックすることが重要です。均整の取れた形で花の跡が小さくふくらみが少ないものが良いとされます。また、表面に傷や変色がないものを選ぶことも大切です。
熟成のサインを見極める
市場に出回るマクワウリは通常完全に熟していない状態です。マクワウリから自然な香りがし始め、底部を押したときに適度な柔らかさが感じられるようになったら食べ頃のサインです。
室内での追熟方法
収穫後のマクワウリは室温で保管することで、自然に追熟を促すことができます。冷蔵庫での保管は温度が低すぎて熟成が進まないため、常温が適しています。
砂糖を用いた甘みの強化
マクワウリを切った後十分な甘みがない場合は砂糖を加えて漬け込む方法があります。この方法で砂糖が果肉に染み込み、自然な甘みを引き出します。
甘さ控えめのマクワウリの活用法
十分に甘くないマクワウリは、料理に使うことで美味しく活用できます。その用途の広さから果物としても野菜としても使うことができるので様々な料理に応用できます。
自家製マクワウリジャムの作り方
マクワウリのジャム作りは意外と簡単です。
まず、マクワウリを適当な大きさに切り、皮を取り除きます。
次に、切ったマクワウリを鍋に入れ、果肉の量の約1/5から1/6の砂糖を加えて中火で煮込みます。
果肉が柔らかくなり、液体が減ってきたら、大さじ1のレモン汁を加えて混ぜ合わせます。
和風味のマクワウリ煮付け
マクワウリを使った煮付けも美味しいです。
必要な材料は
- マクワウリ1個(約300グラム)
- 出汁200ミリリットル
- しょうゆ大さじ2
- みりん大さじ2
- 片栗粉大さじ1(水で溶いておく)
です。
マクワウリは皮を剥き一口大に切り、出汁としょうゆ、みりんを加えて中火で煮ます。
柔らかくなり味が染みたら、溶いた片栗粉を加えてとろみをつけます。
マクワウリの白だし漬けレシピ
マクワウリの白だし漬けは、簡単でさっぱりした味わいです。
マクワウリを皮を剥き食べやすいサイズにカットし、密閉できる保存袋に入れます。
マクワウリが浸る程度の白だしを加え、空気を抜いて封をし、冷蔵庫で一晩置きます。
総括
この記事では「マクワウリの甘さが少ない理由と甘くするコツ」に焦点を当てました。
メロンと同じ科に属するマクワウリは甘みが控えめですが、追熟でその甘さを引き出すことが可能です。また甘みが少ないマクワウリも加工することで様々な料理に活用できます。
昔の日本では「ウリ」として広く親しまれ、日本の食文化に根ざしているマクワウリ。その独特の風味を活かした料理を楽しむことは、新しい味覚の発見につながります。
この記事が、新たな料理への挑戦のきっかけになれば幸いです。